短歌置き場
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「人の大変な話を聞くということは、もう、お金をもらったのといっしょで、絶対にそのままではすまされないよ。
聞いたという責任が生じてしまうの。」




よしもとばなな「みずうみ」

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【2015/12/07 13:04】 | ホンのひとこと
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001:「呼」 呼び声が大きくなって目覚めると天使がキスの雨を降らせる
002:「急」 誰だっていつかは大人になれるからそんなに急がなくてもいいよ
003:「要」 必要としてくれている小さな手がほかの何より必要だった
004:「栄」 大切な栄養素のひとつなのです あなたの愛が私をつくる
005:「中心」 中心に命を宿したその日から強さを覚え脆さを知った
006:「婦」 旧姓にさよなら告げて新婦から主婦へとかわるタクシーの中
007:「度」 一度ずつ熱が上がっていくみたいおでこに置かれた大きな手のせい
008:「ジャム」 ジャムみたいに甘くとろけてしまいそうふたりで溶けたらずっと一緒ね
009:「異」 待ちわびた封を開けるとほんのりと異国の香りが鼻をかすめる
010:「玉」 蒼色のビー玉あつめ沈めたら故郷の海の風を感じた

011:「怪」 近道をしたはずなのにいつまでも辿り着けない白昼の怪
012:「おろか」 おろかだと思ったでしょう?いけないとわかっていながら恋したことを
013:「刊」 眠れずにふーっと吐いたため息をかき消す朝刊配達の音
014:「込」 ひとつひとつ枕の横に積もりゆく吾子らが愛を込めた言葉が
015:「衛」 ふるさとを見下ろしながら漆黒の闇を駆け抜ける衛星ひまわり
016:「荒」 3日後のデートの日までに唇の荒れを治すためハチミツを買う
017:「画面」 かぶりつき画面を叩き興奮しミッフィーちゃんを楽しむ娘
018:「救」 真夜中の救急外来の静けさが硬い椅子から染み込んでくる
019:「靴」 足けり車で激しくドリフトするせいであっという間に穴があく靴
020:「亜」 路地裏にひっそり佇む伊太利亜のサーモンクリームパスタは絶品

021:「小」 産着から覗く小さな手にきみはどんな未来を握っているの?
022:「砕」 砕かれた心の欠片を集めたら湯煎で溶かしてもういちど型へ
023:「柱」 はじめてのキスを交わした電柱を懐かしく見つつ子供の手を取る
024:「真」 こわい夢見たと嘘をいい少しだけあなたに甘えたくなる真夜中
025:「さらさら」 毎朝の楽しみでした さらさらの黒髪を結う優しい時間
026:「湿」 湿り気のある雪だったからなのか彼とはなにも起きませんでした
027:「ダウン」 ぬくぬくの冬にするためポケットの大きなダウンをプレゼントする
028:「改 」またねって手を振る笑顔をひとつずつ心に刻み改札口へ
029:「尺」 三尺の大輪の華見上げつつ大口開けてる横顔見てる
030:「物」 おばあちゃんが干した洗濯物たちが初夏の日差しを浴びて揺れてる

031:「認」 いま君が認めた小さな物体は愛する人を探すための足
032:「昏」 昏昏と眠る娘の顔見つつ痛む胸元ひたすら冷やす
033:「逸」 逸れていた台風だって引き戻すことができます我が妹は
034:「前」 曾祖母の着物で作った丹前に残った香りを深く吸い込む
035:「液」 子供らの血液型は全員がパパと同じでちょっとヤキモチ
036:「バス」 きらきらと瞳かがやかせ楽しげな笑顔の子らと乗っているバス
037:「療」 診療所の待合室で交わされる合言葉にある年齢制限
038:「読」 存在を確かめるように手に取って読まずに満足することもある
039:「せっかく」 どしゃ降りになってしまってせっかくの新しい靴も涙している
040:「清」 空港の外へと急ぎ清らかな空気を吸い込む 指の先まで

041:「扇」 いま出すとなだめる手のひらすり抜けて換気扇のなかパニックになる
042:「特」 特急で向かっているのはアイヌ語で「道を下ったところ」という町
043:「旧」 甘酸っぱいオンコをこっそり食べていた旧図書館の入口の横
044:「らくだ」 おねしょした私に待っていた罰はおじいちゃんのらくだのももひき
045:「売」 汽車に乗るとくべつな日は売店でとくべつにガムを買ってもらった
046:「貨」 百貨店の遊具は流れる音楽に退屈そうにからだを揺らす
047:「四国」 雄大な青い流れはいつの日かわたしを四国に呼ぶのだろうか
048:「負」 負けたのじゃなくて気持ちがなくなった ただそれだけの単純なこと
049:「尼」 疑いもしなかったので驚いた 尼子騒兵衛さんの性別
050:「答」 楽しみにしていたものは答案の裏に書かれた自由な世界

051:「緯」 まつ毛まで凍ってしまう冬だった 北緯43度のふるさと
052:「サイト」 大好きな読書の世界が広がったサイトで友と短歌に出会う
053:「腐」 母に身をまかせ形を変えていく木綿豆腐をじっと見ていた
054:「踵」 五か月のあいだ私を蹴っていた踵の薄く柔らかな皮膚
055:「夫」 しんとした重みを感じ目覚めると鼓動に耳を澄ませる夫が
056:「リボン」 たいせつな想い出だからたいせつにしまっておこうリボンをかけて
057:「析」 それよりも目を見てほしい相性の分析なんて意味がないから
058:「士」 先生のように過程を見守ってうなずいている栄養士の友
059:「税」 税金のぶん盛大に舌打ちし支払いをするどこかの軍人
060:「孔雀」 得意気に羽を広げた孔雀たちのたくさんの目がわたしを探る

061: 「宗」  モニターに映る女性は祖母に似た声でやさしく宗教にさそう
062: 「万年」  いつからか万年雪にすがた変え心のすみに居座っている
063: 「丁」  丁寧にすばやくそして美しくカバーをかける職業につく
064: 「裕」  正常を保つ余裕さえうばう至上の痛みにのみこまれそう
065: 「スロー」  いつだって駆け足だから要所ではスローモーションで育ってみせて
066: 「缶」  練乳の缶に口つけ息をふく母をみつめたスプーン片手に
067:「 府」  水色のプラスチックの都道府県 最後のひとつと眠る幼子
068: 「煌」  天然のプラネタリウムの煌めきは吾子らの瞳にいまも宿れり
069: 「銅」  うすっぺらい分銅を積んでお互いに見せあうような恋をしていた
070: 「本」  本棚を整えている閉店後 疲れたこころも整ってゆく

071: 「粉」  小麦粉をバターで炒めている母の右手に馴染んだ木べらのへこみ
072: 「諸」  諸肌を脱いだ我が子の逞しくなった背中にぬるオロナイン
073: 「会場」 花束をわたせぬ吾子と新郎の困惑につつまれゆく会場
074: 「唾」 あと一球あと一球と固唾のみ吾子を見つめる静寂のなか
075: 「短」 健全な脚と短いスカートをふるわせながら季節はすすむ
076: 「舎」 新しい校舎は旧校舎へかわり思い出の地層厚みを増して
077: 「等」 吾子たちを愛する気持ちは平等で一位も二位もないのだ娘よ
078:「ソース」 朝の陽をソースの隠し味としてひとさじ加えるコーンスープへ
079:「筆」 専用の小刀ひとつあたえられ毎夜鉛筆けずる七歳
080:「標」 今日だけは従うことができないと横目でにらむ止まれの標識

081:「付」 ひとつふたつあかりが灯ってゆくようにつぼみを生んでいる八重桜
081:「付」 再投稿 ひとつふたつあかりが灯ってゆくようにつぼみを付けている八重桜
082:「佳」 幸せを求めあふれる秋色のなかでかがやく佳き日を迎え
083:「憎」 憎まれ口たたいてみたい少しだけ困らせてみたい初めての秋
084:「錦」 祖母の手は降らせはじめるひらふわと錦糸玉子のつやめく雪を
085:「化石」 秋ごとに記憶の地層を掘りかえしこわれぬように取り出す化石
086:「珠」 目の淵で丸みを帯びてゆく真珠くずれぬようにそっとすべらす
087:「当」 適当を許してくれぬ二歳児に監視されつつ描くアンパンマン
088:「炭」 風呂釜へしずかに入れた石炭の育てる炎を見ている当番
089:「マーク」 雨用の靴を買いに行く週末を支配していく雨降りマーク
090:「山」 空き地には小さな山が作られてスキーヤーたちで渋滞になる

091:「略」 踏切とコンビニしかない略図へと金木犀の生け垣を足す
092:「微」 あたたかい微糖の熱も逃げてゆく真夜中の待合ロビーでは
093:「わざわざ」 遠くまでわざわざ買いに行ったあと見つけてしまったお手頃価格
094:「腹」 もう足の形がわかるようになり窮屈そうなわたしのお腹
095:「申」 下書きの修正は禁じられていて震える手で書く内申書類
096:「賢」 賢そうに見えると笑い合いながら老眼鏡であそぶ吾子たち
097:「騙」 騙し絵にだまされているその隙に少しずつ進めていく支度
098:「独」 正解ではない回転をして独楽は幼子としばしたわむれている
099:「聴」 つよく耳に押しあてて聴くきっともうわたしの上には降らない声を
100:「願」 おねがいと一生のお願いの差を見つけられずに巻かれゆく糸


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【2015/12/01 15:55】 | 題詠blog2015
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091:「略」
踏切とコンビニしかない略図へと金木犀の生け垣を足す

092:「微」
あたたかい微糖の熱も逃げてゆく真夜中の待合ロビーでは

093:「わざわざ」
遠くまでわざわざ買いに行ったあと見つけてしまったお手頃価格

094:「腹」
もう足の形がわかるようになり窮屈そうなわたしのお腹

095:「申」
下書きの修正は禁じられていて震える手で書く内申書類

096:「賢」
賢そうに見えると笑い合いながら老眼鏡であそぶ吾子たち

097:「騙」
騙し絵にだまされているその隙に少しずつ進めていく支度

098:「独」
正解ではない回転をして独楽は幼子としばしたわむれている

099:「聴」
つよく耳に押しあてて聴くきっともうわたしの上には降らない声を

100:「願」
おねがいと一生のお願いの差を見つけられずに巻かれゆく糸


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【2015/11/29 23:28】 | 短歌
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初めての参加で息切れしながらでしたが、なんとか完走することができました。
こんなにじっくりと短歌と向き合ったのは初めてのような気がします。
ありがとうございました。


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【2015/11/29 23:06】 | 題詠blog2015
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おねがいと一生のお願いの差を見つけられずに巻かれゆく糸


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【2015/11/29 23:04】 | 題詠blog2015
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